本記事では、超音波流量計プローブ設置の測定精度への重要性を検証し、Z、V、N、W方式の比較および設置を容易にするLORRICのクランプを紹介します。また、配管のサイズ、材質、信号強度、環境が設置選択に与える影響を説明し、LORRICが提供する実績ある設置戦略を紹介します。
1. 超音波流量計プローブの設置方法
まず、超音波流量計の設置では、2つのプローブが軸方向断面で180度対向していることを確認する必要があります。軸方向断面とは、円筒の回転中心軸を通る縦断面を指します。
プローブが軸方向断面で180度対向するとは、2つのプローブが軸方向断面上で正確に向かい合う位置にあることを意味します(以下の図参照)。
次に、2つのプローブ間の対角線距離を確認します(以下の図参照)。
2. プローブ設置の方法
設置方法はZ、V、N、W方式に分かれ、主にプローブの位置と信号反射の経路によって区別されます。反射が増えると小さな流量の測定精度が向上しますが、反射回数が増えるたびに信号強度が弱まり、干渉が増加します。業界ではRSSI(信号強度)とQ値(信号の明瞭度)が重要視され、測定精度向上にはRSSIを保ちながらQ値を向上させることが推奨されています。
1 ) Z方式
通常、直径300mm以上の配管に使用され、超音波信号が反射せず強い信号強度を保持します。信号の歪みを防ぐ反面、プローブを対向配置する設置が難しく、対角線距離の測定も課題です。
2 ) V方式
直径50~300mmの配管に一般的に採用され、両プローブが同一側に配置されることで信号が1回反射します。信号強度のバランスが取りやすく、設置も容易です。
3 ) N方式
直径50mm未満の配管に使用され、プローブが対角線上に配置されます。信号は2回反射し3つの経路を形成し、飛行時間を延長することで小径配管での測定精度を向上させます。ただし、実際にはV方式が理想的な信号状態を達成できない場合のみ推奨されます。
4 ) W方式
直径50mm未満の配管で使用され、信号が3回反射して4つの経路を形成します。測定精度は向上しますが、実際にはV方式が理想的な信号状態を達成できない場合のみ推奨されます。
*注記: 操作環境は大きく異なるため、設置方法は現場条件に基づいて判断してください。
3. 超音波流量計プローブ設置の課題克服 - LORRICの特許取得クランプ
Z方式やN方式では、プローブを配管の両側壁に設置するため2つのトラッククランプが必要で、設置が困難です。LORRICは従来のクランプ設置工程を革新し、特許取得済みのクランプにより1人で簡単に設置できる設計を実現しました。
4. 測定性能に影響を与える要因
配管直径が大きいほど信号エネルギー強度は距離の二乗に反比例し、RSSIは長距離で減少します。Z、V、N、W方式ではRSSIが順次減少します。配管材質や液体の特性、表面の音波反射性がRSSIに影響を与えます。
一般に、大型プローブは高感度で大径配管に適していますが、小径配管では距離が近いため適しておらず、設置が困難な場合があります。