1. なぜ超音波流量計を最適な場所に設置する必要があるのか?
流量測定性能を最大限に発揮するためには、最適な設置位置が非常に重要です。これにより、超音波信号の強度が大幅に向上し、配管内の流量を測定するための超音波伝送効率が最大化されます。
2. RSSIとQ-Factorとは?
- RSSI (受信信号強度インジケーター):無線通信における信号強度の指標です。通常、負の値で表され、0に近い数値ほど信号が強いことを示します。例えば、-30 dBmは非常に強い信号を示し、-90 dBmは非常に弱い信号を示します。
- 品質係数(Qファクター):信号品質の指標です。信号強度、干渉、エラー率などの要因を考慮します。Q値が高いほど、信号品質が良好で安定した通信が可能であることを示します。
3. RSSIとQ-Factorの関係性
音声コミュニケーションの例えを用いると、最適な理解が得られるのは、話者の声が十分に大きく、発音が明瞭で、意味がはっきりしている場合です。この場合、スムーズなコミュニケーションが可能となります。
• 高の品質:音量が大きく(RSSIが高い)、明瞭である(Q-Factorが高い)場合。
• 次善の品質:音量は小さいが(RSSIが低い)、明瞭である(Q-Factorが高い)場合。
• 三番目の品質:音量は大きいが(RSSIが高い)、明瞭さに欠ける(Q-Factorが低い)場合。
• 最悪の品質:音量が小さく(RSSIが低い)、明瞭さもない(Q-Factorが低い)場合。
この例えにおいて、音量はRSSI(信号の強さ)に、発音の明瞭さはQ-Factor(信号の効果性)に対応します。また、品質を比較する際には、RSSIよりもQ-Factorが重要であるとされています。
4. RSSIとQ-Factorを用いた最適な設置位置の評価
音声の例と品質レベルで示されるように、ユーザーは施設や機器の現状、空間配置、設置の利便性、その他の個別の要件を考慮する必要があります。これらをRSSIおよびQ-Factorで達成可能な最適基準と照らし合わせて評価します。
図に示された四象限チャートを使用し、実現可能な設置位置をマークすることで、各ユーザーにとっての最適な設置場所を特定できます。さらに、超音波流量計の「最適設置位置」を決定するには、別記事で説明するToM/ToS値を参照することも必要です。