1. テーパねじと平行ねじの違い
ねじは大きくテーパねじと平行ねじに分類され、それぞれ異なる特徴と用途があります。
テーパねじ
形状:テーパねじは、上部が広く、下部が狭い円錐形のプロファイルを持ち、側面に勾配があります。
サイズの許容差:オスとメスねじの間にサイズの誤差があっても固定可能です。オスねじが大きい場合は浅い固定、逆に小さい場合は深い固定になりますが、それでもしっかりと密着します。このため、ある程度のサイズ許容差がありながらもシール性を維持できます。
耐圧性:シール剤を使用しなくても、平行ねじよりも耐圧性に優れ、漏れにくい特性があります。これにより、2つの部品間で一定の漏れ防止性能を提供します。
用途:テーパねじは、シール剤が使用できない狭い空間や不均一・湾曲した表面で広く使用されます。たとえば、配管に取り付けられるノズルなど、漏れ防止が求められる場面で一般的です。
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平行ねじ
形状:平行ねじは、側面が平行に走る長方形のプロファイルを持ち、一定の直径を維持しています。
サイズの一致:オスねじとメスねじのサイズが完全に一致している必要があります。一致していれば、ねじはしっかりとかみ合い、強固にロックされます。一方、サイズに許容差がある場合、オスねじがメスねじにロックされない可能性があります。
ロックの深さ:サイズが一致している場合、ねじは完全にかみ合い、非常に強くロックされます。この特性により、フランジジョイントなどで引っ張り強度を発揮し、2つの表面をしっかりと結合します。ただし、シール剤を使用しない場合、平行ねじはシール性能を持ちません。
シールの要件:通常、シール剤なしでは平行ねじは密閉を実現できません。シールが必要な場合は、Oリングなどのシール部品を使用して効果的に締め付け、密閉を行います。また、場合によっては、平行オスねじとテーパメスねじを組み合わせて低圧シールを実現することもあります。
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2. アメリカ規格と英国規格
国際的に広く使用されているねじ規格の中で、主要なものはアメリカ合衆国とイギリスによって開発された規格です。
アメリカ規格(NPT/NPS)
- アメリカ国家標準管ネジ規格: アメリカ国家標準管ネジ規格(National Pipe Thread Standards)は、テーパーネジ(NPT)および平行ネジ(NPS)の両方を含みます。これらは剛性、圧力密封、またはその両方を目的として使用され、主に北米で配管や継手に使用されます。
- ネジ角度: ネジの側面とボルト軸に垂直な線との間の角度は60度で、これはネジが交差する角度を示しています。
ネジの頂点と谷: ネジの最も高い点は「頂点」と呼ばれ、最も低い点は「谷」と呼ばれます。これらは効果的なかみ合いを実現するために鋭い角度で設計されています。
- アメリカテーパーネジ(NPT): 正式名称はアメリカ国家標準テーパーパイプネジであり、産業部品におけるテーパーネジの標準として広く使用されています。密封材を必要としない産業部品の密封に使用され、幅広い用途があります。
- アメリカ平行ネジ(NPS): アメリカ国家標準平行パイプネジとして知られ、産業部品における平行ネジの標準です。剛性が求められる場合や、平行オスネジをテーパーのメスネジにシール材を使って適合させ、低圧密封で使用されることがあります。
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英国規格(BSPT, R/BSPP, G)
- 英国標準管ネジ(BSP): 国際的に認められたネジ規格であり、外ネジと内ネジの両方を含みます。配管やパイプ継手に広く使用されており、アメリカのNPT規格と同様に有名で、配管システムの主要な仕様として頻繁に採用されています。
- ネジ角度: ネジの角度は55度であり、アメリカ規格の60度と比較して特徴的です。
ネジの頂点と谷: アメリカ規格の鋭角とは異なり、BSPネジは丸みを帯びた頂点と谷を持ち、密封およびかみ合いの特性が異なります。
- 英国テーパーネジ(BSPT): 「Rネジ」とも呼ばれるBSPT(British Standard Pipe Taper)は、「R」という名称が採用された後も依然として一般的な用語として使用されています。追加の密封部品を必要とせずに配管の密封を作成するために広く利用されています。
- 英国平行ネジ(BSPP/G): 英国平行ネジ(BSPP)または「Gネジ」として知られ、BSPMなどのバリエーションと共に、英国における平行ネジの標準です。もともとBSPTと区別するためにBSPFとして導入され、アメリカの類似規格との混同を避けるために後にBSPMと改名されましたが、BSPPは依然として英国平行ネジを指す主要な用語です。「BSP」はBSPPおよびBSPTの両方の種類を指します。
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