速度変換器
速度について
日常生活では「速度」と「速さ」が同じ意味で使われることがありますが、物理学では異なる概念を表します:
• 速さ(Speed)
速さはスカラー量で、大きさのみを持ち、方向はありません。移動距離を経過時間で割ることで計算されます。たとえば、車が時速60キロメートルで走行している場合、この「時速60キロメートル」が速さです。
• 速度(Velocity)
速度はベクトル量で、大きさと方向の両方を持ちます。変位を時間で割ることで計算されます。たとえば、車が北に向かって時速60キロメートルで進んでいる場合、この「北に向かう時速60キロメートル」が速度です。
物体の瞬間的な速さは瞬間的な速度の大きさに等しいですが、平均の速さと平均の速度は必ずしも一致しません。
国際単位系(SI)**において、速度の単位はメートル毎秒(m/s)です。しかし、日常生活ではキロメートル毎時(km/h)やマイル毎時(mph)が一般的に使用されます。また、船舶や航空機では「ノット」(1ノット = 1海里毎時)で測定されることが多いです。
特殊相対性理論によれば、エネルギーや情報が移動できる最大速度は真空中の光速であり、およそ299,792,458メートル毎秒とされています。
定義
数学では、平均速度(記号
̄v
)は、物体が時間 t の間に距離 s を移動した際の比率として定義され、次の式で表されます:
例えば、車が2時間で60キロメートルを移動した場合、その間の平均速度は時速30キロメートルとなります。ある瞬間の速度は、瞬間的な距離
と瞬間的な時間
の比率として定義されます:
厳密に定義すると、距離 s が時間 t の関数である場合、瞬間速度は時間 t0 における比率の極限値であり、数学的には s の t に関する微分として次の式で表されます:
簡略化された物理モデルでは、特定の瞬間の前後で速度が異なる場合があります。これは、速度の変化に不連続性があることを示します。例えば、単純な衝突モデルでは、衝突前後の速度が異なり、古典物理学が想定するような連続的な運動では説明できない現象が発生します。
瞬間速度は瞬間的な速度の大きさと等しいですが、平均速度は軌跡と変位の違いにより、しばしば異なる値となります。例えば、等速円運動では平均速度はゼロですが、平均速度の大きさはゼロではありません。このように、運動のパラメータを定義する際の微妙な違いを示しています。
速度を測定する単位:
- メートル毎秒(m/s):SI派生単位
- キロメートル毎時(km/h)
- マイル毎時(mph)
- ノット(海里毎時、kt)
- マッハ(Mach):速度を音速で割った値として計算されます。
- 真空中の光速(c = 2.99792458 x 108 m/s):基本的な定数。
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