流量とは、流体が一定時間内に特定の断面積を通過する量を指し、体積流量と質量流量の2種類があります。通常、ノズル流量は体積流量を指し、「リットル/分」(L/min)で表されます。これは、ノズルが1分間に噴霧する液体(液体の体積)の量を測定したものです。
ノズルを設計する際には、噴霧効果に影響を与えるさまざまな要因を考慮する必要があります。それには、流量、流量分布、圧力差、ノズル角度などが含まれます。本記事では、流路設計や流量、流量分布に関する知識を解説します。
本文では単位換算について詳述しません。流量の単位換算については、
数学公式で簡単に計算する流量をご参照ください。
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1. 流路設計
同じ断面積のノズルを使用しても、流路設計を変えることで流量や流量分布を調整でき、さまざまな噴霧効果を実現できます。
- 流量=水の量:流路設計を変えることで、流速を増減させてノズルの流量を調整できます。
- 流量分布=水の分布形状:流路設計を変更することで、水の出口での分布形状を変え、同じ流量のノズルで異なる流量分布を作り出せます。例として、ベル型分布を均等型分布に変更できます。
2. 流量分布
液体がノズルから噴霧された後、ノズルの設計によってさまざまな分布形状が形成されます。これらの分布形状は、液体がカバー範囲内でどのように分配されるかを決定します。簡単に言えば、特定の領域で水量が多く、他の領域で少なくなることです。このような設計により、ノズルはさまざまな用途に適応できます。以下は、流量断面図を用いて説明する一般的な流量分布の形式です。
1. ベル型分布:中央多め、両端少なめ
ベル型分布では、噴霧量が噴射範囲の中央部分で最も多く、両端に向かうにつれて減少し、ベル型の分布曲線を形成します。
ベル型流量分布のノズルは最大の衝撃力を持ち、表面汚れの清掃など、集中した衝撃力を必要とする用途に適しています。ただし、端部のカバーが不足するため、均等な塗布が必要な用途には不向きです。
端部のカバー不足を改善したい場合、ノズルの間隔を縮め、噴霧範囲を重ねることで、カバー不足を解消できます。
2. 均等分布:中央多め、両端少なめ
均等分布では、噴霧量が中央部分で均一かつ多く保たれ、両端部分は相対的に少なくなります。これにより、プラットフォーム状の分布を形成します。
この分布は、広いエリアで均一なカバーが求められる用途に適しており、塗装や化学処理などに使用されます。ただし、端部の流量が不足する可能性があります。
3. 中空分布:中央少なめ、周囲多め
中空円錐ノズル(Hollow Cone)は、噴射円形範囲の周囲部分で噴霧量が最大になり、中央部分は相対的に少なくなります。これにより、環状またはドーナツ状の分布を形成します。
この分布は、中央部分の過剰な湿潤を避ける必要がある用途、例えば精密な塗布や化学反応などに適しています。噴射角度や距離を調整し、周囲部分が過度に集中しないよう注意が必要です。
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