スプレーノズルの選び方

LORRIC(ロリック)のスプレーノズルは、あらゆる産業の工程における流体制御の問題を解決できます。以下の7点をご確認いただくことで、どのようなノズルが適しているのか分かります。


噴射形状

  • 噴射形状(スプレーパターン)は、液体あるいは気体を目標物に噴射する際に、これら流体を垂直形状にします。噴射形状はスプレーノズルの主要な分類に使用されます。噴射形状は噴射の際の圧力により変化しますが、大多数のノズルは噴射の形状自体は変わりません。サイズと噴射形状が比例するわけではありません。

 

  • 各産業及び各工程ごとの異なる要求に応えるため、LORRICは以下の異なる噴射形状の用意し、お客様にお選びいただいております。一般的にはお客様側に噴射形状をご指定いただきますが、噴射形状について疑問やご要望がございましたら、弊社までお問い合わせください。お打ち合わせいただいた上で、最適な回答を提案いたします。

 

  • 他のスプレーノズル製造メーカー様が、それぞれ異なる噴射形状の呼び名及び分類法を使用していますが、それらは非常に類似しているものの、細かく見ていきますと違うようにも見えます。もしも現行品の同等品を探したいという時は、お手数ですが、先ず他社様のノズルの型番をご連絡いただき、LORRICが確認をした上でご提案をさせていただきます。

 

  •   下記は主な噴射形状です。

    - 扇形噴射
    - 充錐噴射、或いは傘型、円錐、実心円錐
    - 空円錐噴射、或いは中空円錐、環形、ドーナツ形、空心円錐

    - 螺旋型噴射、或いはスパイラル噴射、蚊取り線香形、ネジ形、同心円形、半実心噴射、(これらは充円錐又は空円錐に分類される場合もあります)

    - 直線形、或いは柱状、点形、直進
    - 液体攪拌噴射(液体攪拌は噴射を成形するわけではないため、これらはノズルの形状の一種として使われます)


流体性質
主なものは以下の三種類です。

  • 純液体
  • 純気体
  • 気体と液体を混合した2流体

 

材質
各種異なる要望に対応させるため、LORRICは多様な材質のノズルを提供しています。材質が異なれば加工の難易度とその方法が変わります。材質につきまして、下記の要素をご考慮願います。
    - 流体及び使用環境の温度
    - 流体中に個体が含まれるか
    - 化学薬品の使用の有無
    - 使用上のノズル部の清掃が必要か:おありの場合、樹脂製の分解できない機種以外をお選びください。
    - 機械強度を考慮する必要があるか
    - 設備の仕様上、使用材質の指定があるか。例:食品関連は一般的にステンレス製ノズルを使用する等


    - 下記は各材質の特性です

 

 黄銅(真鍮)  金属ノズルの一般的な材質だが、耐磨耗性及び耐薬品性に劣る
ステンレス(SUS)303  ノズルによく使われる材質。耐磨耗性及び耐薬品性は黄銅と比較して優れている
 ステンレス(SUS)316  耐磨耗性及び耐薬品性に優れている。外観は鮮やかな金属光沢
Hastelloy C22(ハステロイ)  クロム、ニッケル、鉄を合わせた合金の一種。耐薬品性に非常に優れる。高温、高濃度の化学薬品に使用可能。
PVC(ポリ塩化ビニル)  機械強度が高い、耐熱性に劣る
UHMWPE(超高分子量ポリエチレン、略称UPE)  耐熱性及び耐薬品性は中等、但し耐摩耗性があることが特色。金剛砂の噴砂機で長期使用可能
PP(ポリプロピレン)  耐熱性と耐薬品性は中等。一般的な樹脂ノズルの材質
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)  耐熱性及び耐薬品性に優れる。機械強度はPPより優れる
ナイロン  耐磨耗性が高い
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)  耐薬品性に非常に優れる。耐熱性は200度以上と高い。高剛性。耐薬品及び耐熱が必要な環境下で使用可能
 PTFE(ポリエトラフルポリエチレン)  耐薬品性に最も優れる。耐熱200度以上。但し剛性に劣る

 

ジョイント部

  • LORRICは多様なスプレーノズルの連結方式を提供しています。外ネジ式が最も多く、その他は内ネジ式、フランジ式、溶接式。そして溶接はノズル菅あるいはノズル板など固定場所を選びません。
  • ノズルのネジ形状は円錐形状のテーバーネジが一般的です。それは漏水を防止するためです。僅かな漏水をも防ぐためには、防水シール(テープ)の使用やコーキングも効果的です。このように漏水を防ぐため、一般的にノズルは平行ネジ式にしていません。また、テーパーネジにも大きく2種類あり、北米でよく使われるNPT規格、それからその他地域でよく見られるBSPT(PT)規格があります。
  • 一般的には、ノズルの流量が大きくなるほど、ジョイント部の寸法も大きくなります。ジョイント部のサイズ、流量、角度など多くの異なる選択肢がありますので、詳しくは個別の製品情報ページをご覧ください。

 

圧力

  • スプレーノズルにとって圧力とは最も重要な要素と言えます。同じノズルであっても、異なる圧力の下で使用した場合に、噴射形状、流量、角度、分布及び粒径など全て違ったものになります。設計上、全てのノズルには固有の「標準使用圧力」があり、これによりノズルの仕様を定義しています。例をあげますと、3 kg/cm^2(約0.3MPa)の圧力で角度は110度、もしくは1kg/cm^2(約0.1MPa)の圧力で角度は小さめの100度といったようになります。ノズルを選ぶ際には、先ず使用圧力を確認していただきますようお願い致します。
  • ほとんどのノズルは自動で加圧せずに、各設備やポンプ等でノズル圧力を調整しています。圧力を確認する際、もし可能でありましたら最もノズルに近い圧力計を参考にしてください。圧力計とノズルの距離が離れていますと、途中の配管や機器、部品が圧力数値に影響を与えることがあります。
  • 各産業、それから各国で使われている圧力単位は異なります。下記によく使われている圧力単位を紹介します。
kg/cm²(キログラム毎平方センチメートル)  世界的によく見られる。台湾では法定計量単位 
 Bar

 1 Bar = 1.02 kg/cm²

 MPa (メガパスカル)

 - 日本の法定計量単位

 - 1 MPa = 10.2 kg/cm²

 PSI ((重量キロポンド毎平方インチ) Pound/inch²)

 - 北米で使われる圧力単位

1 psi = 0.07 kg/cm²


流量
流量(噴射量或は噴霧量)とは、一定の圧力下でノズルが一定時間内に液体または気体を噴射した際のその体積を言います。一般的には、同じノズルであれば圧力が高まるほど流量も増加します。ノズルを異なる圧力下でテストした流量をグラフにすると、流量の変化は必ずしも一定の線にはなりません。

公式:Qa/Qb=√Pa/Pb

 

各産業それから各国で使われている流量単位は異なります。下記によく使われている流量単位を紹介します。

 LPM (l/min リットル毎分)

よく使われる単位

  GPM (gal/min ガロン毎分)

北米で主に使われている単位

 

角度

  • スプレーノズルの噴射角度とは、ノズルから噴射された液体あるいは気体の広がり角度を言います。噴射された流体がノズルから離れるほど、地球の重力に引っ張られ、また周囲の他の液体や気体の影響を受けやすくなります。角度はノズルを評価する際、噴射の広がりとその面積の指標になります。複数のノズルを配置した際のそれぞれの距離、それから対象物までの距離、これらを考慮する際に参考にされます。もし設備上、数メートルと大きかったり、または数ミリメートルという小さな距離で噴射を行うといった際には、先ず弊社へご相談ください。
  • 異なる方向に向けたノズルは、角度や距離の変化が異なります。一般的には上から下方向へ噴射した際には、角度は徐々に小さくなります。逆に下から上方向に噴射した場合は、角度は徐々に大きくなります。これらの点は設備設計時にご考慮いただく必要があります。
  • 弊社のLORRICスプレーノズルは標準仕様圧力下での角度公差を±5度としています。ノズルを並べて配置した際の間隔を考慮する際に参考にしてください。